2006年6月18日日曜日

US OPEN ④ 定点観測




今回、定点観測の場としてTODOSが選んだのがこの写真の右下にある赤い X マークの場所。ここは12番グリーンの真横、右バンカーのエッジから3メートル位離れて盛り上がったところ。そしてグリーンの向こうは立ち入り禁止区域でその先の13番のティーでのショットも見ることが出来ますし、13番グリーンの状況も確認可能。無理すればその向こうの14番のフェアウェーでのショットも見ることが出来ると言う大変に美味しい場所なのです。

高くなっている場所なのでピクニックマットを広げて座り込んでロープ際一番前に陣取ってゆったりと観戦していました。
12番ホールはテレビで出てくると思いますが、最長640ヤードのパー5。世界の精鋭と言えど誰もツーオンはしてきません。見ていると、ティーショットをラフに打ち込んだプレーヤーはセカンドをミドルアイアンまでで打ちますので200ヤード内外のサードショットをしてきます。ティーショットがフェアウェーをキープしたプレーヤーはセカンドをバンカー群の横、一番大きなバンカーの手前に刻み、130-160ヤードのサードショットをしています。

何故、そんなことが分かるかって?

















ジャジャーン!!!!


そう、ブッシュネルのレンジファインダーを持参したのです。双眼鏡を持っていないTODOSは朝の出発前にふと気が付きました。  「これ、役に立つかも」

大正解です。レンジファインダーは自分のプレーの距離を測る為だけではなく、トーナメント観戦の必需品なのです!!隣のオッサンからも 「今のショットは何ヤードだった?」 (勿論、英語でダヨ) って聞かれます。観戦仲間の話題作りにも大活躍!!

ご覧のように縦長の12番グリーンですが、初日のピン位置はグリーン右手前。2段グリーンの下側にありました。カップ近くの傾斜は左から右に下り、受けグリーンですから上から下に下っています。定点観測していると、どこからのパットが入るか入らないかが良く分かります。このグリーンの場合、2段グリーンの奥に行くとノーチャンス、どころか3パットの危険が大変高いです。この罠に嵌ったのが我が日本代表片山選手。ティーショット・セカンドとフェアウェーをキープし絶好のポジションからの3打目が大きく上の段。3パットのボギーでした。

またピン左に乗ったパットは殆ど入りません。上からも同様。見ていた中ではフレッド・カプルスが上からの微妙な1.5メートルほどのパーパットを決めましたが、他はほぼ全滅。普通ならバーディー・イーグルの草刈り場になるパー5ですが、ここウィングドフットの12番は全員が必死にパーを狙っています。2日間でのホールとしての難しさは11番目で、平均スコアは

5.322

パーオン率が

51.4%

もう一つのパー5である515ヤードの5番ホールが18ホール中一番簡単な18番目で、平均ストロークが唯一パー以下で4.704、パーオン率が85.9%ですから、その違いが際立ちますね。とにかくこの日のピン位置ならグリーンに届かなくても手前エッジ、ピンの下で余り左に行かない場所がベスト、バーディーもたまに有るし、危なげなくパーが取れます。

そして、そのコース設定を考えて狭いピン右のポジションをギリギリ狙ってきたのがタイガー・ウッズ。最高のショットに見えました。縦距離はピッタリとピンハイ!!狭いエリアに飛んで来ました。しかし、ボールが落下したのは、数センチだけバンカー側。顎の高いバンカーの切り立ったエッジに落ちたボールはハード・バウンスで我々の座っている直ぐ近くのバンカー内の一番ピンから遠い位置。タイガーの落胆した状況が良く分かりました。

顎が邪魔になってバックスィングが取れずピン方向にはスタンスが取れません!!結局諦めてピンのずっと右、2段グリーンの傾斜を使って左に流してなんとかピン方向へと言う極限のショットをトライせざるを得ない状況でした。渾身の一打は無情にも薄く入りグリーンを越えて向こう側のラフ。それも2段グリーンの上・横ですから、次の5打目はまたまた究極の難しさ。

タイガー得意のフラップショットで2段グリーン上ギリギリに落ちたボールはトロトロとピンに向かい1メートル強オーバー。ハッキリ言って世界最強の技でした。パターで打ってもそこには止められない・・・・・。それを、やっぱりタイガーの小技は世界一です。

し、し、しかし・・・・。ボギーパットが無情にも外れてダボ。。。。。。。。

タイガーが去った12番ホールグリーン回りは潮が引くようにギャラリーが居なくなりました。時刻も4時半、TODOSもこれでウィングドフットを後にしました。

まだ初日が始まったばかり。これから世界超一流の我慢と自分との闘いが3日間続くわけです。歴史の重みを背負った全米オープン、メジャーの中でも一番難しいコースセッティングでプロが自身の内面と闘うことを強いるUSGAの姿勢。なかなか分かりにくい世界かも知れませんが、その一端を垣間見ることが出来て最高の幸せでした。

最終日まで楽しみましょう!!

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